虫歯は感染症!

 

虫歯は感染症という事実をご存知ですか?

 

虫歯,原因

 

虫歯の原因については過去様々な説が提唱されてきましたが、現在では酸を作り出す菌(酸産生菌)による細菌感染症説が一番有力です。

 

虫歯,原因

 

 

なんで虫?

 

日本では昔から原因不明の体調不良はとりあえず虫のせいにしていました。

 

虫歯,原因

 

 

「腹の虫」「虫の居所」「疳の虫」「水虫」などです。

 

歯についても同じで、激しい痛みや不快感をもたらす歯の症状はまとめて虫歯とよんでいましたが、1960年代に虫歯は細菌という小さな虫が原因だった!ということが科学的に証明されました。

 

 

どんな虫?

 

現在、虫歯の主な原因菌と分かっているのは、連鎖球菌の2種類と乳酸菌の1種類、計3種類です。 参照:https://hanoblog.com/

 

  • 口腔連鎖球菌 : ストレプトコッカス・ミュータンス菌 ストレプトコッカス・ソブリヌス菌
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    虫歯,原因
    ミュータンス菌

     

  • 乳酸菌 : ラクトバチルス菌
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    虫歯,原因
    ラクトバチルス菌

 

これらの菌の特徴は、酸を作り出す特殊な菌(酸産生菌)であることです。

 

1890年代には、アメリカの細菌学者であるウィロビー・ミラーは、口の中にいる細菌が糖類を代謝する過程で酸を作り出し、その酸こそが虫歯の原因であるという説を提唱しました。

 

1924年、イギリスのキリアン・クラークは虫歯の部位から未知の細菌を発見し、ストレプトコッカス・ミュータンス菌と命名しました。彼はこれこそが虫歯の原因菌と主張しましたが長らく認められませんでした。

 

1968年になって各国で虫歯の部位からキリアン・クラークが発見したのと同じ菌が分離され出したことから、やっとミュータンス菌説が認められるようになり今日に至ります。

 

口の中で虫歯作りに関係する菌は他にもたくさんいますが、比較的検出しやすいという理由と、各種試験でここれらの菌が酸を作り出す能力が比較的高いことが分かってきたという理由から、虫歯菌と言えばこれらを指すことが多いようです。

 

虫歯,原因

 

さらに、虫歯のキッカケを作るミュータンス菌こそが本当に注意すべき菌!というこがハッキリしてきたので、現在では 虫歯菌=ミュータンス菌 という捉え方が一般的です。

 

 

ラクトバチルス菌にも注目!

 

虫歯に関心のある方でしたら、ミュータンス菌のことは既にご存知かもしれませんよね。でもラクトバチルス菌もなかなかの曲者ですよ。

 

 

虫歯,原因

 

 

ミュータンス菌が作り出した酸で歯のエナメル質が溶け出すと(脱灰)、そこにラクトバチルス菌がやってきて、虫歯を一気に進行させるという連携プレーを行います。

 

ミュータンス菌の酸による脱灰だけではエナメル質の表面が柔らかくなるなるだけですが、ラクトバチルス菌が繁殖するとカンタンに穴が空きます。

 

ラクトバチルス菌は自然界ではありふれた菌の一種で、炭水化物や砂糖やヨーグルトなどにも入っているとても身近な菌。ほとんどの方の腸内細菌として大腸の中に普通にいます。

 

虫歯,原因

 

口の中のラクトバチルス菌は炭水化物やヨーグルトをよく摂る人ほど多いという相関関係がハッキリしていますので、ラクトース系の甘みが大好きな方は、なおさら虫歯対策を意識してくださいね。

 

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虫歯菌はなぜ歯を溶かすの?

 

口の中が酸性になると...

 

私たちの口の中のpH(ペーハー)は、健康な方でしたら6.8とほぼ中性です。

 

ですが、虫歯菌が酸を作り出すとpHは酸性に向かいどんどん下がり、5.5を下回ると歯のカルシウムやリン酸の構造が破壊され始めるのでエナメル質は溶け出してしまいます。

 

つまり、、、

 

虫歯 = 虫歯菌 × 炭水化物(糖類) × 酸

 

 

虫歯菌はなぜ酸を出すの?

 

ミュータンス菌も生き物ですから、何かを餌にして生きています。

 

ミュータンス菌が主な餌にしているのは糖類です。

 

 

虫歯,原因

 

 

糖類というのは砂糖だけではなく、炭水化物全般です。

 

砂糖を筆頭に、お米、パン、麺類、イモ類などなど、私たちが普段よく口にしている馴染みのものばかりです。

 

炭水化物? 糖質? 糖類?

 

炭水化物から食物繊維を除けば糖質、糖類は糖質の中でも特に単糖類と二糖類を指します。

 

単糖類 : ブドウ糖 果糖 など
二糖類 : 砂糖 乳糖 麦芽糖 など

 

 

ミュータンス菌はまず最初に糖類をグルカンとよばれるネバネバの物質に変え、歯の表面にピタッと付着します。このネバネバ物質は歯垢(プラーク)とよばれ、水に溶けにくい性質があります。

 

 

虫歯,原因

 

 

歯垢の中には口の中にいる他の菌もやってきて、やがてテントを張ったような共同体を築き上げます。このテントの中でミュータンス菌は一気に増え酸もどんどん作られます。

 

 

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ミュータンス菌が作り出す酸は人間で言えば汗や排泄物に相当するもので、餌を食べ続ける限り作り続けることになります。

 

彼らが酸を作り出す理由ですが、酸を周囲に撒き散らすことで他の菌が近付かないようにし、自分たちの縄張りを広げていくことを狙っていると考えられています。

 

虫歯菌にはいつ感染したの?

口の中にも常在菌!?

 

私たちは常に様々な菌と接触しています。空気中を漂うカビをはじめ、トイレの大腸菌、発酵食品に含まれる各種の菌(酵母菌・麹菌・乳酸菌・納豆菌など)、生活環境は菌に満ちあふれています。

 

このように、常に菌に接して生活している私たちのカラダの中は菌だらけ。。。

 

菌と言えばすぐに除菌!という悪いイメージばかりが先行してしまいますが、私たちはこの菌(微生物)たちと実は共存関係にあり、このような菌を常在菌と言います。

 

 

虫歯,原因

 

 

常在菌は、腸内フローラで有名な腸の中には100兆個、皮膚には1兆個以上いるといわれています。カラダの細胞は37兆個ですから、その数がどれほど大きいのか想像しやすいと思います。

 

 

虫歯,原因

 

 

口の中も同じで、成人では500〜1000種類近くの様々な菌が常在菌として活動しています。

 

 

ミュータンス菌にはいつ感染したの?

 

母親の胎内にいるあいだ、口の中に菌はいません。出産時、産道を通る時にたまたま口の中に入ってしまった菌が最初の菌です。

 

虫歯菌,感染

では問題のミュータンス菌ですが、いったいいつ頃出会ってしまったのでしょうか?

 

最も感染しやすいタイミングとして指摘されているのは、生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月頃の間と言われています。ちょうど離乳食から普通食に移行し始めるタイミングです。

 

この時期を過ぎるとミュータンス菌にはその後なかなか感染しませんので、このタイミングで虫歯菌なしの口内環境を作って菌の勢力範囲を確定させてしまえば、虫歯についてはある程度安心することができます。

 

スウェーデンにある世界的にも有名な歯科大学であるイエテボリ大学(ヨーテボリ大学/GOTEBORGS UNIVERSITET)による研究によれば、2歳までにミュータンス菌に感染しなかった子供は、4歳時点の虫歯の本数はわずか0.3本だったそうです。

 

虫歯,治す

菌の勢力範囲については、口の中を人気の新築分譲マンションに例えると分かりやすいと思います。

 

部屋が1000室あったとします。先着順に住めるのですが、先に虫歯や歯周病とは無縁の菌が1000室すべてに入居してしまえば、虫歯菌はマンションの敷地内に入ることは出来ても住み着くことはできません。

 

虫歯,治療

仮に10室でも5室でもミュータンス菌が先に入居してしまえば、自然に退去させることはほぼ不可能で、敷地内を通りかかった仲間のラクトバチラス菌を勝手に入館させて、マンションを破壊するほどの大騒ぎを開始するわけです。

 

虫歯菌を歯磨きでやっつける!?

 

口の中の菌は、歯垢つまりプラークの中で増殖します。白くネバネバしたプラークは菌の塊で、様々な菌が1gの中に500億〜1,000億個も存在します。

 

プラークの表面はバイオフィルムとよばれる保護膜に覆われます。菌どうしが複雑に絡み合ってテントを張っているような状態です。バイオフィルムはなかなか強力で、ブラッシングや洗口液/抗菌薬ではカンタンに落とせません。

 

一見ブラッシングで落とせたかのように見えても、歯の表面のミクロレベルの小さな隙間にガッチリ入り込んでいるので落としきれないのです。

 

 

歯磨き

 

 

また抗菌薬は菌全体を包み込むことで力を発揮するので、バイオフィルムのバリアーに阻まれたら効果はほとんどありません。

 

という理由から、どれだけ毎日歯磨きを一生懸命行っても、普通のブラッシングだけでは虫歯菌を口の中から追い出してやっつけることはできないのです。

 

 

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